「“大飯原発”原子炉直下に断層!大惨事の危険性も」:ZAKZAK

 再稼働問題で注目される関西電力大飯原発福井県)は、何と立地が「不適格」だったかもしれない。専門家が研究で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯)が近くの活断層と連動して動けば地表がずれる可能性があると指摘。原子炉直下の破砕帯が動いて地表がずれると、安全上重要な設備を損傷させる恐れがあるというのだ。

 分析結果をまとめたのは、東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)と、名古屋大の鈴木康弘教授(同)。渡辺氏は「原子炉直下を通る破砕帯もあり、早急に現地調査すべきだ」としている。現地調査で安全をおびやかす危険個所が確認されれば、原発の立地場所として不適格となる可能性もある。

 渡辺氏らが指摘したのは「F−6断層」と呼ばれる破砕帯。1985年に関電が国に提出した大飯3、4号機の増設申請書では、F−6断層は1、2号機と3、4号機の間の地下をほぼ南北に走っている。

 当時の掘削調査で、坑内の南側壁面では断層の上を覆う地層が変形していないことから、関電は「国が原発の建設時に考慮するよう定めている、13万〜12万年前以降に活動した活断層ではない」と判断。保安院も2010年に妥当と評価した。

 これに対し、渡辺氏らは、同じ坑内の北側壁面の調査データなどを分析し、F−6断層が地層を上下にずらした可能性があると指摘した。

 また、断層は粘土が混じって固まっていない可能性がある上、上部を覆う地層の年代も特定できておらず、活動が比較的新しい可能性もあると判断した。さらに、F−6断層は海域などにある周辺の活断層と連動して動く可能性もあるという。

 日本原子力発電敦賀原発福井県)では原子炉直下の破砕帯が動く可能性が4月、保安院の調査で判明。国の基準を満たさず、廃炉の可能性が浮上している。大飯原発もことによっては、再稼働どころの話ではなくなる。