なりふりなど構っていられない。そんな印象を受ける。東京電力のことだ。企業に対しては電気料金引き上げを打ち出し、応じないな  :日本経済新聞

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 なりふりなど構っていられない。そんな印象を受ける。東京電力のことだ。企業に対しては電気料金引き上げを打ち出し、応じないなら電気を止めると示唆した。政府には1兆円もの資本注入と、約8500億円の追加支援を申請した。

▼賠償、除染、廃炉。福島第1原発の事故で、お金がいくらあっても足りないのだろうとは想像できる。しかし関東地方の知事さんたちは、そろって値上げの中止を求める要望書を出した。その理由は納得できるものだと思う。東電の説明がおざなりで、経営努力が伝わってこないのだから。

▼東電にはシロアリがたかっている。こう指摘したのは東京都の猪瀬直樹副知事だ。本業との関係がどれほどあるのかわからない、しかも高コスト体質の子会社や関連会社の数々。そこに社員OBらが「天下り」していると、副知事は文芸春秋4月号で批判している。こんな声に東電はこたえているようにみえない。

▼シロアリで思い出すのは、3年ほど前の野田佳彦首相の言葉だ。官僚たちの天下りやわたりなどで、消費税5%分にあたる国費に「シロアリ」がたかっている。野党の幹部だった野田さんはこう語って、退治を訴えていた。いろんなところにシロアリが巣くっているのかもしれない。だとすれば、駆除の特効薬が欲しいところだ。