【原発稼働ゼロまで、あと5日!】  [転送・転載歓迎/重複失礼]

以下、転送します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/みどりの未来)です。

先日4月25日(水)に福井県庁で開かれた福井県原子力安全専門委員会の
傍聴に行ってきました。遅ればせながら、メモをもとに概要を簡単にご報
告します。なお、既にグリーンピース・ジャパンの高田久代さんがブログ
で報告されていますので、そちらも併せてご参照ください(重複部分はご
容赦を)。

「真の脅威は想定外のことが起こることだ」−−福井県の専門委員が大飯
原発再稼働で抱いている不安とは?(第71回委員会傍聴記録)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/71/blog/40130/
(配布資料等へのリンクもあり)

原発安全向上対策求める意見多数 福井県庁、原子力安全専門委が会合
福井新聞、4月26日)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/34409.html

★ぜひ福井県の安全委員に対して、十分に議論を尽くすこと、政府による
拙速かつ危険な再稼働要請を受け入れないことなどを要請してください。
ハガキでも構いません(12人分で600円で済みます!)。大至急お願いし
ます。

専門委員会は少なくともあと1回は行われますが、既に「安全性は確認で
きた」と中川委員長が公言していることもあり、政府の要請を受け入れて
しまう恐れがあります。

中川英之(委員長) 〒910-8507 福井県福井市文京3丁目9番1号 
 福井大学名誉教授

三島嘉一郎     〒919-1205 福井県三方郡美浜町佐田64号
         (株)原子力安全システム研究所 技術システム研究所長

田島俊彦      〒910-1195 福井県吉田郡永平寺町松岡兼定島4-1-1 
          福井県立大学名誉教授

西本和俊      〒910-8505 福井県福井市学園3丁目6番1号 
          福井工業大学教授

小野公二      〒590-0494 大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目 
          京都大学原子炉実験所教授

岩崎行玄      〒910-1195 福井県吉田郡永平寺町松岡兼定島4-1-1 
          福井県立大学教授

飯井俊行      〒910-8507 福井県福井市文京3丁目9番1号 
          福井大学大学院教授

山本章夫      〒464-8601 名古屋市千種区不老町 
          名古屋大学大学院教授

泉佳伸       〒914-0055 福井県敦賀市鉄輪町1丁目4-42  
          福井大学附属国際原子力工学研究所教授

大堀道広      〒914-0055 福井県敦賀市鉄輪町1丁目4-42  
         福井大学附属国際原子力工学研究所准教授

釜江克宏(臨時委員)〒590-0494 大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目 
          京都大学原子炉実験所教授

竹村恵二(臨時委員)〒606-8501 京都市左京区吉田本町 
          京都大学大学院教授

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

福井県原子力安全専門委員会 4月25日質疑概要(メモより、文責:杉原)】

中川委員長 事故が起きた際、作業員の待機場所はどこになるのか?

関電 研修館やおおいり館を想定している。今後、2012年中に耐震補強や
空気浄化装置の取付を行う。

三島委員 消防ポンプによる注水は原子炉容器の圧力が高いときでもでき
るのか?

関電 高圧だと困難。一次系にある程度水があれば注圧ポンプ等で多少な
りとも継続できる。

中川委員長 斜面の崩落の恐れはないのか? 地質調査はしたのか?

関電 建屋の背面斜面は堅固な岩盤。

中川委員長 建屋の敷地は大丈夫か?

関電 建設段階で安全性を確認している。

注:この回答は極めてデタラメ。保安院による斜面の安全評価は完了して
おらず、事業者による評価を保安院が審査している段階。保安院は2006年
に事業者に指示を出しており、5年以上経っても評価が終わっていない。
ちなみに原発周辺に斜面のある13原発すべてで斜面の安全評価は完了して
いない。

斜面の安全評価対象 全13原発「完了」ゼロ(産経、3月14日)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120314/dst12031407490002-n1.htm

画像で見る大飯原発の恐怖! 新非常用電源が巨大な崖の下
斜面の安全評価はまだ終わっていない!
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65796306.html

※この問題については、4月10日に美浜の会など10団体が関西電力に質問
を提出。関西電力は4月20日に回答しています。

関電の評価でも斜面の崖崩れで電源車等は使えないのでは?
電源車等の配備についての質問書
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/kepco_q20120410.pdf

「電源車等の配備についての質問書」(4月10日付)に対する関西電力の回答(4月20日
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/kepco_a20120420.pdf

泉委員 (過酷事故を防ぐ最終手段として)炉心に直接注水する際、手動
で複数の弁を開くには何人くらい必要で、時間はどのくらいかかるのか?

関電 (注水)ラインの確認はしたが、訓練はこれから。

中川委員長 アクシデントマネジメント対策の中で対応手段を明確にすべ
きであり、対策に明記しておくべきだ。

飯井委員 よい強度設計は①損傷要因が想定されている②ざっくりとであ
れ他国、他産業、他プラントとの確認がなされている、との2つの視点が
よくバランスされていることが重要。その視点から資料を拝見すると、
規制の実が十分かどうか必ずしも読み取れない。

田島委員 福島事故で「絶対安全」はないとわかった。「大飯は加圧水型
であり、二次系に蒸気発生器があってしっかりしている。逃し弁があるの
で安全は担保される」と言うが、それで「絶対安全」とは言えない。

山本委員 現時点での真の脅威は「想定外」ではないか。ただ、想定外の
結果どうなるかは福島事故を見ればわかっている。技術的知見の30項目や
「安全基準」は想定外の事象を阻止、緩和するのにどういうふうに役立つ
のか、整理して教えてほしい。

保安院 想定外事象は様々だが、今ある基準等は役立つものと期待してい
る。発電所内に電源がありさえすれば多様な対応がとれるので、電源喪失
のないようにしたい。

三島委員 レベル5の過酷事故の際の避難等に関して、原子力安全委員会
防災指針改定の中間取りまとめを行ったが、そのままになっている。そう
いう状態は早く解消すべきだ。

保安院 ご指摘の通りです。

竹村委員 福島の事故があの段階でなぜ止まっているのかの検証はしてい
るのか?

保安院 検証はしていません。

大堀委員 仮に大飯3、4号機を福島に置いたとして、「3・11」を経験した
としたら、従前はこうだったが、この間の対策でこうなったという評価は
しているのか?

保安院 そうした分析はされていない。

中川委員長 津波の遡上によって特殊なことが起こり得るのか、検討して
ほしい。

注:想定される津波の遡上による水位上昇に関して、保安院原子力安全
委員会の検討会合の場で、「検討していない」と回答した。

飯井委員 (全電源喪失時に蒸気発生器に水を送る)タービン動補助給水
ポンプはアメリカでもトラブルを起こしている。敏感な設計であり、抜本
的な向上対策に取り組んでほしい。

中川委員長 自然災害に対する敷地全体の安全性については、設置段階の
調査のみではなく、現状での安全性確認をすべきだ。また、深層防護につ
いては山のように意見が出た。「絶対安全」はないので、想定外に対する
規制を考えるべきだ。基準地震動については保安院の意見聴取会でも議論
されているので、その内容の説明も受けたい。また、安全性の判断基準に
ついては県民にもわかりやすい議論を行いたい。

※やり取りの中で保安院は、福島事故の原因について「今回は津波だった
わけですけれども」と根拠なく断言。また、委員からは規制体制について
の質問が多く出されたものの、保安院側は「まだ原子力規制庁が発足して
いないので答えられない」という回答を繰り返しました。