机の上の空 大沼安史の個人新聞: 〔統制教育・NEWS〕 「炉心溶融」記述1点だけ 高校教科書検定/「啓林館」の「物理」:今回の事故について「複数の炉心冷却機能がすべて失われて炉心溶融が起き、原子炉内の放射性物質が外部に放出された」と説明

なにこれ?

腰抜けばかりだね!

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文部科学省は二十七日、二〇一三年度から使用される高校教科書(主に一年生用)の検定結果を発表した。今回合格した二百十八点(専門科目を除く)中、24%にあたる五十三点が東日本大震災を取り上げたが、東京電力福島第一原発事故は7%の十六点にとどまった。事故の炉心溶融メルトダウン)について記したのは一点だけで、事故の記述そのものを見送った教科書会社も多い。

 炉心溶融に触れたのは啓林館の物理。原発の仕組みを図を使い解説し、今回の事故について「複数の炉心冷却機能がすべて失われて炉心溶融が起き、原子炉内の放射性物質が外部に放出された」と説明した。

 新学習指導要領の物理は、原子核の崩壊や核反応について教えることを定めている。同社は「原子核に関連する内容として学んでほしいと考えた。炉心溶融はもともと記述を予定していたが、福島の事故も反映させた」としている。物理では今回申請された他の四点は、福島第一原発事故に触れていない。

 現代社会では山川出版社が「住民の避難に始まり、農業や漁業への被害、電力不足による計画停電など、首都圏を含む広い地域の人びとの生活と社会に、はかり知れない影響をあたえた」とした。十二点中六点は触れなかった。

 啓林館、山川出版社ともに記述に検定意見は付いていない。

 多くの教科書会社が震災や事故の記述を見送った背景には、検定申請の締め切りが昨年五〜六月で、事故発生から時間が限られていたこともある。文科省側がこれまで、原発について検定意見を繰り返し付けてきたことも、各社の慎重姿勢につながっているとみられる。

 文科省の検定規則によると、「更新を行うことが適切な事実の記載」などがあった場合、訂正申請ができる。来春の使用開始までに、現代社会などで記述の追加や変更がされる可能性がある。